2021.11.25 03:46推薦入試の面接推薦入試の時期になった。各大学、各高校で推薦入試の面接が始まっているだろう。 私の勤務校でも、先日、推薦入試があった。連続3時間の面接だったので、最後は若干頭が朦朧とした。(それだけ受験生が希望してくれるのは、大変ありがたいことなのだが) 志望動機を聞かれて、非常にしっかりした答えをした生徒もいて、感心した。一方、志望動機や将来の希望が曖昧な生徒もいた。それはそうだろうと思う。将来何になりたいかなんて、17, 18歳ではまだよく分からないのが普通だろう。志望動機だって、大したものじゃないはずで、具体的に、とか言われても答えられないはず。自分の長所短所を聞かれても、自己分析をするにはあまりにも幼すぎる。 だから、...
2021.02.27 07:55語学の授業における遠隔授業の効果遠隔授業と対面授業とではどちらの方がより効果的なのだろうか、それとも差がないのだろうか。結論からいえば、少なくても語学に関する限り、対面授業の方が授業効果は圧倒的に高いと言える。ここでは、便宜的に、“授業効果”を学生の理解度、つまり、”試験の成績“と捉えておくことにする。 遠隔授業の最大の弱点は、持ち込み不可の試験が実施できないことではないかと思う。試験があろうがなかろうが勉強する学生もいるが、少数派であろう。大抵の学生は持ち込み不可の試験があるから、必死に勉強する。その中で初めて深い理解に達したり、疑問が湧いたりするものである。また、持ち込み不可の試験さえ実施できれば、対面と遠隔の混合授業であっても、効果にはあまり差がないことも分かってきた...
2020.11.22 14:50アクティブラーニング私は現在、FD委員会の委員長をしている。今年は、「アクティブラーニング」をテーマに、FD研修会を開催することにした。3人の先生方にお願いして3回の講演を組み、ストリーミング配信をすることにした。コーディネータ役の私も結構大変であった。3人の先生方と交渉し、それぞれの講演前に挨拶の音声を入れ、スケジュール調整をして、案内文を作り、謝礼の交渉をし、教授会でアナウンスし、出席を確認し、その他諸々。 1回目の配信では、「アクティブラーニングの概要」について話して頂いた。 今までは、アクティブラーニングとは、何かグループ学習やペアワークのような「アクティヴ」な活動をするものと思っていたが、決してそういう訳ではなかった。肝要なのは、学生に主...
2020.11.14 12:30教師は何を教えるか?私が大学1年時の第二語学(英語)、最初の授業でのこと。担当の、今にして思えばまだお若い先生が、こんな話をされた。 「ぼくがこの大学の英米科に入学した時,最初の授業で,教授が学生一人一人に英語で自己紹介をさせた. ある学生が、「私は●●を尊敬しています」という意味で 『I respect ~』 と言ったところ,その先生は 『そういう場合にrespectは使わない,admireを使うのだ』とおっしゃった.ぼくはそれを聞いて、ああそうか、と思ったが、大学4年間で私が先生から教えてもらったことで覚えているのは、それだけだ」というようなお話だった。 私がこの英語の授業(1年間)で先生から教えてもらったこととして記憶し...
2020.11.04 08:50大学教員のポスト今日、本学に非常勤で来ている若い先生とお話する機会があった。ご本人は、若く見えるけど結構歳を取っています、と言っていたが。地方国立大学の准教授なのに、どうして、うちの大学に非常勤にいらしたんですか、と聞くと、いや、白鴎大学はいい大学です。某国立大はど田舎にあって、それにくらべたら、白鴎大学は駅に近いし、綺麗だし、いい先生方がいるし。。。という話になって、地方国立大の実情の一端を垣間見た気がした。彼は、10年くらい海外でポスドクをやっていたそう。専門の宇宙物理の分野で専任教員になるのは至難の技で、年間に論文を10本書いても就職は難しいらしい。聞きしに勝る就職難。日本は本当に多くの優秀な人材を無駄に捨てている。もっと上手く活用すべき。それと同時に、こういう...
2020.10.17 10:06大学の志望動機(推薦入試の面接)今日は、推薦入試の面接があった。緊張してうまく答えられない生徒もいた。それはそうだろうと思う。将来何になりたいかとか、大学に入ったら何にチャレンジしたいか、なんてまだよく分からないよね。志望動機だって、大したものじゃないはずで、具体的に、とか言われても答えられないはず。自分の長所短所を聞かれても、自己分析をするにはあまりにも幼すぎる。もし、私が高校3年生の時に、なぜスペイン語を学ぼうと思ったんですか、なんて志望動機を聞かれたら何て答えだんだろう?「父親が、スペインはたくさんの国で話されているからこれから伸びる、と言っていたからです」とでも答えたんだろうか? 面接官に「あなたは、親に言われて自分の進路を決めるんですか?」って突っ込まれたらどうしよう?
2020.10.02 07:47授業に必要な時間遠隔授業になって分かったことがある。90分の授業で本当に必要な時間は、おそらく半分程度なのだ。残りの時間は、若干授業に遅れて行ったり、出席を取ったり、プリントを配ったり、ビデオの準備に時間がかかったり、学生を指名して答えさせたり、学生が答えるのを待ったり、答えを訂正したり、学生同士の学び合いを促したり、発音させたり、黒板に板書したり、解答を黒板に書かせたり、ビデオを繰り返し見せたり、ちょっと雑談したり、その他諸々の授業に必要不可欠ではない、”無駄”な時間なのだ。遠隔授業では、上記の”無駄”な時間は一切ない。ひたすら、説明と解説に専念できる。冗談や雑談を交えたり、丁寧な説明や繰り返しは、学生が不必要と思えば、2倍速で聴いたり、動画を飛ばして見ることだって...
2020.09.30 05:04予習の思い出大学時代の思い出。語学の専門大学だったので、予習は当たり前であった。特に女子は真面目な学生が多く、私たちはできる限りの準備をして授業に臨んだ。授業開始前になると、お互いに正解を確認しあったり、分からない箇所を質問しあったりした。誰も意味が分からない箇所があると、戦々恐々。先生がその箇所を自分に当てないように密かに祈った。別に先生方が厳しかったという訳ではない。間違えたり、分からないと言うのが恥ずかしい、とする雰囲気があった。自分の無知が暴かれるのを恐れる気持ち、とでもいおうか。私は、茨城県南部から豊島区にある大学まで電車通学をしていた。片道2時間弱かかったと思う。大学1年生の時。その日は、授業が一つしかなく、しかも、予習をした結果、その授業内容はすべて...
2020.09.29 02:31必修科目と予習私は、1年生の必修科目(スペイン語Ⅰ)に関しては予習を課していない。復習だけすればいいと言っている。予習を要求した時期もあるが、まもなく止めた。いくつか理由があるが、一番大きな理由は、予習ができるのは、能力のある学生に限られる、ということが分かったからである。1年次の第二語学は必修科目なので、学生のレベルにはかなりの差がある。中には英文法が怪しい学生も混じっている。彼らに予習をさせることはほとんど意味がない。単語の暗記、のように単に知識量を増やすだけならば、予習も可能である。しかし、新しい概念を理解するためには、相当な知的レベルが要求される。未知の文法概念を独習できるような学生ならば、もっと偏差値の高い大学に行ってもおかしくはない。ただし、スペイン語2...