勤務校で発行している同窓生向けのリーフレットVoyageに私の書いた記事が掲載されました
遠隔授業のことを書いたものです。
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4月14日(火)のことでした。そのころはヨーロッパでコロナウィルスが猛威を振るい、連日悲惨な情報がネットに流れていたので、私も御多分にもれず、若干コロナ鬱の状態でした。3月の卒業式典は中止、入学式も中止。遅れていた前期授業もそろそろ始まる頃だったので、授業の準備をせねばと思いつつ、コロナの情報が気になってなかなか仕事に取り掛かれずにいたのでした。そこへ飛び込んできたのが、「4月27日(月)より、遠隔にて授業を開始する」というニュースです。遠隔授業?しかも準備期間はわずか2週間、どうしよう‼という文字通りパニックになりました。教務委員の先生が準備してくれた動画を見ても、WebClass(遠隔授業用のシステム)の説明書を読んでも混乱した頭にはよく入らず、その夜は眠れませんでした。そして、私の頭からコロナウィルスが完全に吹っ飛んだのでした。人は同時に二つのことを心配することはできない、という事を学びました。
それから2か月半。恐る恐るWebClassに教材をアップしていたのが、今ではかなり余裕を持って教材を準備し、音声を入れ、歌や動画のURLを紹介し、学生とレポート提出や質問のやり取りをする事ができるようになりました。そして学んだことは、人は必要に迫られればなんとかやれるし、やってみればそれなりに楽しい、ということです。これが私の正に今(7月上旬)の状況です。おそらく遠隔授業を実施している多くの教員に共通した感想だと思います。
卒業生の皆様はいかがお過ごしでしょうか。このコロナ禍で生活に大きな影響を受けたということのないよう、切に切に願っています。特に今年の卒業生の皆様方、お元気ですか。新しい地に赴任して、社員研修もそこそこにすぐにテレワークを余儀なくされる等、さぞ不安も大きかったのではないでしょうか。6月に通常の仕事に戻ってもう慣れましたか?
遠隔授業になって幸いしたことがあるとすれば、毎朝ストレッチをするようになって長年の腰の凝りが改善されたこと、無料で放映されるオペラやバレエの映像を楽しむことができること、超絶初心者向けのジャズダンスに挑戦できたこと、等でしょうか。例年、6月7月は一番辛い時期で、金曜日の4時限目の授業が終わった後はしばらくイスに倒れ込んで動けなくなります。現在、その点、体は楽ですが、授業の準備や学生とのやりとりに以前より遥かに時間を取られるようになりました。また、一日中イスに座っている生活なので筋肉が衰えてよく足がつります。
5月にアンケートが実施されて、学生の多くが遠隔授業に困難を抱えていることが分かりました。実はちょっとほっとしました。もし遠隔授業の満足度が高ければ、対面授業必要なし、という事にもなりかねませんから。教育は情報のやり取りだけではなく人間対人間の交流も含まれるという当然のことを再確認した次第です。