2020.10.28 07:58アンケート調査の功罪かつて、日本語教育に関してアンケート調査をしたときのこと。日本語教室担当の先生から、アンケート依頼がたくさんきて、時間を取られる、と言うような感想を聞いた。ブラジル人街がある群馬県某市の小学校の校長先生が、視察はお断りしている、と言う新聞記事を読んだこともある。当時は外国人児童生徒が一気に増えた時期で、アンケートの依頼や視察の申し込みが殺到したらしい。自分たちは研究という名のいわば実績づくりに利用されているだけで、なんらの恩恵も受けていないという趣旨の発言だったと思う。研究者は、アンケートを実施し、学校参観をし、論文を書き、それが研究業績となる。しかし、時間を割いてアンケートに協力し、視察に協力した側にはなんらのメリットもない。二つ三つならまだしも、多...
2020.10.13 04:03年少者に対する日本語教育の諸問題「年少者に対する日本語教育の諸問題-栃木県における事例を中心に-」と題して、『白鴎ビジネスレビュー』Vol.9 (2000年)に投稿したもの。当時は、年少者に対する日本語教育の資料や教材もノウハウも不足していて、現場の先生方は、悪戦苦闘していた。 少しでも先生方の苦労に寄り添うおうと、アンケートを実施した。その結果をまとめたものである。はじめに 白鴎大学には8年前から毎年2名から6名の内地留学生がスペイン語を学びに来校し,半年間という短い期間ではあるが,熱心に受講している.今年度前期も三人の小・中学校の先生方が受講された. これは,10年程前より南米-特にブラジルとペルー-から日本に出稼ぎに来ている日系人の子女が小学校,中学校に...
2020.09.18 07:57年少者の外国語教育「年少者に対する日本語教育の諸問題 -栃木県における事例を中心に-」『白鴎ビジネスレビュー』Vol.9 (2000年) より一部抜粋Ⅳ.外国で学び生活するということ(チリの小学校の体験から) 筆者は1995年3月から1996年の3月まで白鴎大学の研修制度を利用して南米のチリに1年間滞在することができた.その際二人の子どもも同行し,彼らは1997年1月初頭まで1年10ヶ月にわたってチリの現地校へ通学した.その時の体験から,チリの小学校の様子や,児童の言語習得,あるいは生活適応に関して参考になりそうな事例を思いつくままにあげてみたい.ブラジルやペルーとはやや事情が異なるかもしれないが,同じ南米ということで共通点も多いと思われる.1.学校生活について 我...