かつて、日本語教育に関してアンケート調査をしたときのこと。
日本語教室担当の先生から、アンケート依頼がたくさんきて、時間を取られる、と言うような感想を聞いた。
ブラジル人街がある群馬県某市の小学校の校長先生が、視察はお断りしている、と言う新聞記事を読んだこともある。
当時は外国人児童生徒が一気に増えた時期で、アンケートの依頼や視察の申し込みが殺到したらしい。自分たちは研究という名のいわば実績づくりに利用されているだけで、なんらの恩恵も受けていないという趣旨の発言だったと思う。
研究者は、アンケートを実施し、学校参観をし、論文を書き、それが研究業績となる。しかし、時間を割いてアンケートに協力し、視察に協力した側にはなんらのメリットもない。二つ三つならまだしも、多くの申し込みがあるとなると、矛盾を感じるのは当然であろう。
それ以降、私は、日本語教室担当者に対するアンケート調査や学校訪問は、基本的にしないことにしている。その代わり、日本語教室担当の先生方が利用できるような資料作成に時間を割くことにしたのである。
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