大学の志望動機(推薦入試の面接)

今日は、推薦入試の面接があった。緊張してうまく答えられない生徒もいた。

それはそうだろうと思う。将来何になりたいかとか、大学に入ったら何にチャレンジしたいか、なんてまだよく分からないよね。志望動機だって、大したものじゃないはずで、具体的に、とか言われても答えられないはず。自分の長所短所を聞かれても、自己分析をするにはあまりにも幼すぎる。

もし、私が高校3年生の時に、なぜスペイン語を学ぼうと思ったんですか、なんて志望動機を聞かれたら何て答えだんだろう?

「父親が、スペインはたくさんの国で話されているからこれから伸びる、と言っていたからです」とでも答えたんだろうか? 面接官に「あなたは、親に言われて自分の進路を決めるんですか?」って突っ込まれたらどうしよう?


私が高校3年の冬。ゴヤ(「着衣のマハ」「裸のマハ」を含めて)が初めて日本に来た。

私と友人は、二人で上野の西洋美術館まで見に行くことにした。当時、茨城の田舎に住む高校生にとってはかなりの冒険だった。

美術館の庭は人が二重三重にとぐろを巻いていた。ゴヤの絵はたくさん人の頭でよく見えなかった。

でも私たちにはゴヤの絵なんてたいした問題じゃなかった。若いスペンン人の護衛がたくさんいたからである。

スペイン人の若い男性を見たのはその時が初めてだった(そもそもスペイン人を生で見たことすらなかった)。彼らは黒髪で、黒い大きな魅力的な目をしていた。背は高くないが、非常に均整の取れた体つきをしていた。

多分、スペイン語を受験しようとはっきり決心したのはその時だったと思う。

大学の志望動機なんてそんなもんだ。そして、こういう個人的な理由の方が立派な志望動機のよりも案外強力だったりする。



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