2001年に「TS日本語教室」を立ち上げた時、その「目的」に私は以下のように書いた。
当時は、外国人児童生徒向けの教材は極めて少なく、学校文書もポルトガル語、スペイン語のものはほとんど整備されていない状況であった。つたないHPではあったが、現場の先生方には、それなりにお役に立てたのではないかと思う。
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私が勤務している白鴎大学(栃木県小山市)には,1992年度より,毎年2名から6名の小・中学校の現職の先生方が内地留学生として半期間来校し,スペイン語を学んでおります。2001年度まで45人の先生方が内留されました.
1990年2月に「出入国管理及び難民認定法」の一部が改正されて,ブラジルやペルーなど南米(特にブラジルをペルー)に在住する日系人が日本に定住し就労することができるようになりました.それに伴って,来日する日系人が増え,その子供達が小学校,中学校に入学してくるようになリました.白鴎大学で先生方がスペイン語を学ぶのは,こうした子供達や保護者との間でなんとかコミュニケーションをなかる必要性から取られた措置です.
内地留学生は,毎年,半年間の研修の成果をまとめ,「研修報告書」として発表しています.研修終了後は,日本語教育を担当することも多いので,日本でも学校生活や,日本語教育に少しでも役に立つ情報や教材を作成しようと努力しています.
私の手元には過去9年間に作成された13冊の報告書が残されていますが,この中には,学校が家庭に配布するお知らせ(健康診断・遠足・家庭訪問・その他)や学校案内,授業案内などをスペイン語に翻訳したもの,スペイン語と日本語の対訳のついた教材(国語,算数,漢字,英語,読み物),試験問題などがたくさん含まれています.
こうした資料や情報は,日本語教育に携わる教員にとって非常に有益なものであるにもかかわらず,その存在自体が知られていなかったり,散逸していたりして,利用しずらい状況になっているのが現状です.また,日本語教育担当者は短期間に交替することが多く,担当期間中に培ったノウハウや情報は,いつも個人のレベルに留まり,全体としてなかなか蓄積されない,という状況にあリます.
そこで,こうした資料・情報・ノウハウを日本語教育に携わっている多くの教員の共有財産にするとともに,今後新たに日本語教育を担当する教員の参考になるように,本サイトを構築することに致しました.
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