『TS Notebook』より
学生の勉強時間(その2)
私はかなり多くの試験を学生に課すし,課題も出す.第二語学というマイナーな科目に学生があまり多くの時間を費やして,本業がおろそかになるのはまずいだろう,そもそも学生はどのくらいの時間を家庭学習に費やしているのだろうか,というのがこのアンケートを実施する動機であった.
その結果わかったことは,学生の勉強時間がおそろしく少ない,ということである.私の心配はまったくの杞憂であり,この程度の時間しか勉強に費やしていないのであれば,もっと多くの宿題を課してもいいだろうと思い,後期から宿題の量を増やすことにした.
スペイン語を受講している学生のうち,実に両学部とも4割の学生が普段まったく勉強していないと回答したのである.1週間に1時間未満という層を加えると,経営学部の7割(!),法学部の5割がまったくあるいはほとんど勉強していないことになる.
勉強しない理由として,「やり方がわからない,何をやっていいのか分からない」 「宿題や課題を求められない」をあげた者が経営,法学ともにかなりいる.大学生にもなって情けないといえば情けないが,少なくとも彼らは「勉強をやりたくない,やる気がない」という連中とは違って,やらせればばやる連中なわけである.
大学生に宿題なんて,と思う向きもあるかもしれない.しかし,高校まで,入試やテストや宿題のためにする勉強はしてきたかもしれないが,自主的に学ぶことの少なかったであろう彼らのために,少なくとも大学一年生のころは,適切な課題や宿題を出して導いてやることは必要なのではないか,と思うのである.さもなければ,彼らの脳みそが軟化してしまうのではないか,と本気で恐れている.
一番勉強した科目を聞くと,経営学部(7割強),法学学部(6割弱)ともスペイン語が圧倒的に多い.英語を入れるとさらに比率が上がる.受講生の多い科目はなかなか課題を出せないだろうから,ここは受講生の比較的少ない語学の教員が努力せざるをえないと思われる.しかし,第二語学に一番時間をかけているという回答には,素直に喜べないものを感じてしまうのもまた事実である.
勉強に時間を割かなければならないからその科目が嫌いか,というとどうもそうでもないらしい.両学部とも一番好きな科目にスペイン語をあげている学生が一番多い(11名).
また,私がほっとしたのは「好きな科目なし」,と答えた学生が大変少なかったことである.(経営:2名,法学1名).好きな科目は多岐に渡り,勉強はあまりしていないかもしれないが,授業には比較的満足している状況を伺い知ることができる.
(2001年10月17日)
0コメント